スト担がのえまるに落ちた話
私が大我さんに、そしてSixTONESに落ちてから半年以上経った。
まさか自分がジャニーズにハマるとは…
これまで横目で見ながらも自分には縁がないと思っていた推しにデロ甘のただのオタクになるとは…
そこから更に予想が出来なかったのは、SixTONESの他にも気になるグループができることだった。
→過去形。
コロナのせいで幾つもの楽しみが奪われ引きこもりが加速していく中で、SixTONES、そしてジャニーズはその分を埋め合わせるかのように様々な方法で楽しみを発信してくれた。
特に印象的、かつ本題に関するのはSixTONES個人ブログの開始。
それまでジャニーズWebに登録するのを何となくためらっていた私も、個人ブログ開設の知らせと共に一瞬で登録した。
毎日更新される京本ワールド。
いきなり上げられる自撮りに謎の恋愛ごっこ。
たまらん………
そこから更に追い討ちを掛けるかのごとく始まった京本会TV。
天使の集い、平和の象徴。
しかし、私は大我さん以外のメンバーを良く知らなかった。
そんなことがあっていいのだろうか?こんなにピースフルで、SixTONESでいる時とは違った大我さんを見せてくれるメンバー構成…
よし、調査しよう。
ということで、ようやく話はトラジャに辿り着く。
あ、これ京本会の雰囲気と似てるな?
ほわほわ癒し系だな?
でもダンス上手すぎてギャップが凄い。
宮近くん、なんかいいな。
そういえば、自担グループ以外のブログも読めるのか、よし。
そして、のえまるに辿り着いた。
(当時の私の如恵留くんへの印象は、小学校の先生≒優等生で近寄りがたい)
ん????
なんかいきなりめちゃくちゃ褒められたんだけど??
もしかして私、泣きそう????(当時メンタルよわよわ期だった)
っていうか、テーマ3つもあるの??
テーマ一覧だけじゃ内容よく分からんし……?
…あれ?一つのテーマにこんなに費やして大丈夫?
そういえばめちゃくちゃ褒めてくれたけど、一回のブログの分量はあの褒め褒めタイムくらいじゃないの??
ん?これ、物語アニメのキャラソンのフレーズ…?
もしやオタ………?
っていうか長っっっ!!長いよ!!!??こんなに書いてくれるの!?!?
何を隠そう、私は比較的長文が好きだ。
というか、自分が書く文章も長文になりがちだ。
いつのバックナンバーだったか、如恵留くんも自分の長文癖とその理由を書いていたが、同感しか感じなかったので心の中で固い握手を交わした。
そして緩急がついて読みやすく、さりげなく勉強になる文章は私の大好物と言っていい。
ドラマや小説でもそうだし。
かくして私は、気付けばのえまるの沼に落ちていた。
バックナンバーを一気読みした。
まだまだ読み足りなかった。
私は没頭できる本に出会えた時、読み終わるのが嫌で嫌でたまらなくなる。
足りない!!まだ足りない!!終わらないで!!!!!!
それを、ブログという媒体で初めて感じた。
トラジャ、ほんわかしていいね~
かわいいね~
これから毎週YouTube追お~
くらいの気持ちだったのが、のえまるに関してはガチ勢になってしまった(出会ってまだ約2週間)。
そして丁度、とらまるが自由更新になった。
毎日SixTONESブログと共に、首を長くして更新を待ち望んでいる。
でも毎日更新の分、正直長さが物足りない…。月1くらいであの長長長ブログを更新してくれないかと期待している。
(あと、先日のちゃかまるがツボだった。壮大なホラ話を気まぐれにUPしてくれるその感性、好きです)
トラジャちゃんのデビュー、お待ちしております。事務所の人、頼んだよ。
そ ! れ ! か ! ら !
のえまる書籍化、もしくは川島如恵留エッセイ本を心よりお待ちしております。
お待ちしております。
お待ちしております。
とりあえずお薦めしたい海外ドラマ
突然だが、今の私の悲願は
①SixTONESのライブに行くこと
②大我さんの出演する舞台を見に行くこと
③クンツェのミュージカル作品を制覇すること
④イギリスへ行くこと
⑤海外ドラマを布教して語り合うこと
である。
現時点で私に可能なのは⑤だけである。
しかも、長年地道に進めているのにちっとも成果が上がらない。
そこで…!!(?)
海外ドラマ歴かれこれ10年…は行かないけど、それなりに観てきた中で特別お薦めしたいドラマをジャンルにこだわらず5作品選んでみた。
添付できるものについては予告編も載せたので、そちらを見て気になったらぜひ。全ての作品がAmazonかHuluかNetflixで見られる(はず)。
これらの作品に対しては愛が溢れまくっているので、そのうち細かく語りたい(希望)。だから今回はささっと紹介する。
※順番≠ランキング
ぜひ!!!!予告編だけでも!!!!見て欲しい!!!!!!
そして願わくば、同志として語り合いたい。
- SMASH (スマッシュ)
- Game of Thrones (ゲーム・オブ・スローンズ)
- The West Wing (邦題 : ザ・ホワイトハウス)
- Chuck (チャック)
- Veronica Mars (ヴェロニカ・マーズ)
- SMASH (2012~2013)シーズン2にて完結済。
キーワード : ミュージカル, NY, おしゃれ, 人間(恋愛)ドラマ, お仕事ドラマ
先日ご紹介したドラマ。ミュージカル製作の裏側を軸にして人間ドラマが描かれている。華やかでオシャレ、結構スキャンダラス。歌もダンスも演出も最高。これで友人をミュージカルと海外ドラマの世界に引きずり込んだ実績あり。
詳しくは先日の記事を参照頂きたい( https://tea-holick.hatenablog.com/entry/2020/04/26/232339 )。
- Game of Thrones (2011~2019) シーズン8にて完結済。
キーワード : 中世イギリスをモチーフ, 世界中で人気, ダークファンタジー, ドロドロ, 展開が読めない, めっちゃかっこいい
数多ある海外ドラマの中でも特別な傑作。誰が言ったかは知らないけれど、日本人以外の世界中の人が観たらしい(?)。あのエリザベス女王、オバマ前大統領、ジェニファーローレンス、エドシーラン等の大物有名人がファンを公言している。有吉さんやPerfumeのかしゆかさんもファンらしい。
物凄くざっくり説明すると、中世イギリスをモチーフにした架空の国ウェスタロスの王座を巡って、諸侯を始めとする登場人物達が争い翻弄されまくる話。そこにドラゴンや死者等のファンタジー要素が加わる(でも、多分ファンタジーが苦手な人でも大丈夫。メインは普通の(?)人間なので)。
制作費は1話につき10億円とも言われており、衣装セットCGロケ地を見ても納得の金額。大抵の映画より遥かにスケールが大きく、息をもつかせぬ展開のオンパレードにハマらざるをえない。推しが量産される。ネタバレ厳禁。
ちなみに製作したのはHBOというアメリカの有料ケーブル局なので、表現規制が緩い…というか多分無い。エロとグロも割とあるので、最初はびっくりするかも。でもすぐに慣れるし、見ているうちにそんなのは些細なことになる。
(でも、実家暮らしの方は見る時に気を遣うかも)(経験談)
とりあえず予告を貼っておくから1度見て欲しい。
- ザ・ホワイトハウス(原題 : The West Wing) (1999~2006) シーズン7にて完結済。
キーワード : 政治, ホワイトハウス, ユーモア, 理想, ジレンマ, 人間ドラマ
その名の通り、アメリカの政府/ホワイトハウスを舞台に、大統領とその側近達の奮闘を描いた作品。
放送年を見て分かるだろうが、古いドラマだ。途中のシーズンまでは、スマホどころか携帯電話も無くポケベルを使っている。しかし、今見ても抜群に面白い。放送時から時は流れたが出てくる課題に変わりはないし、何より登場人物達が魅力的なのだ。テンポ良くユーモアに満ちた会話やストーリーが政治ドラマの敷居の高さを抑えつつ、気づけばめちゃくちゃ勉強になっている。
広い分野を扱いつつ、それぞれのテーマで生まれる賛否もカバーされているので、私は大学時代のレポート作成やディベート対策の助けになった。アメリカ政治と言っても問題となっていることは日本とあまり変わらないので、学生さんや政治を知りたいけど教科書を読んでの勉強はダルいという方にはとりあえず見て欲しい。政治ってこんなに身近で面白いんだ…!!となるはず。
個人的リメイク希望作品の第1位。根強いファンも沢山いる。数年前に放送局がリメイクについて言及した時には一人でお祭り騒ぎをした。でも、未だ実現せず。いくらでも待っている。
予告編は見つけられなかったので、代わりにめちゃくちゃかっこいいOPを貼っておく。
- Chuck (2007~2012) シーズン5にて完結済。
キーワード : スパイ, コメディ, SF, 変人がいっぱい, アクション, 美女
主人公のチャックはアメリカ版のオタクで、家電量販店で働いているサエない男性。色々あって、チャックの頭にアメリカの国家機密データベースが入ってしまい、人間コンピューターになる。そこに現れたCIAエージェント(絶世の美女)とNSAエージェント(ムキムキのおっさん)と共に、変人しかいない職場での仕事を隠れ蓑に、同僚や家族に秘密でスパイを始める。
この作品、とにかく笑える。メインキャラクターのスパイ3人のデコボコ感もさることながら、チャックが働く家電量販店の同僚達の変人っぷりが凄まじく、何度見ても笑える。どのキャラクターも好きにならざるを得ない。
多くの話がスパイ活動の軸と家電量販店でのドタバタの2つの軸で進み、飽きる暇がないメチャクチャな疾走感に爽快さを感じる。
ちなみに主人公チャック役は、ザッカリー・リーヴァイ。原語版ラプンツェルのヒーローの声優や、映画「シャザム!」の主人公で有名…らしい。(歌も上手い)
シーズン1の予告編はこちら。予告編では一際、超美人CIAエージェントの美しさが際立っている…気がする
- ヴェロニカ・マーズ (2004~2007, 2014) シーズン3+映画1本で完結済
キーワード : アメリカ女子高生, 探偵, ユーモア, コミカル, シリアス
私が一番最初に観た海外ドラマ。タイトル通り、ヴェロニカマーズという女子高生が主人公。二人暮らしをしている父は元保安官で、私立探偵。親友の死をきっかけに探偵を始め、親友の死の真相を軸に追いながら、学校で起こる様々な事件を調査していく。
このドラマの最大の見所は、主人公ヴェロニカ。彼女は色々酷い目にあってきたのだが、それでも抜群のユーモアを兼ね備えつつ果敢に事件に…首を突っ込む。高校生らしい恋愛や友情、家族についての描写が素晴らしいが、アメリカ西海岸の貧富の差が大きく出る地域が舞台ということもあり、見ごたえ十分なので年齢も性別も問わずに楽しめる。
実はこのドラマ、物凄く根強いファンがいることで話題となった。普通のテレビ放送ではシーズン3までで打ち切られてしまい、クリフハンガーの後味悪い終わり方をした。しかしその後7年も経ってから、クラウドファンディングによって映画の製作を実現したのだ。(高額出資者はエキストラとして出演でき、キャスト達とのファンミーティングもあった…お金と時間とパスポートがあれば私も出資したかった)
日本語字幕が付いているのは映画の予告だけだったので、シーズン1の英語版を代わりに貼っておく。雰囲気は伝わる…はず!!
以上がとりあえずお薦めしたい海外ドラマ5選。
少しでも気になったら……ぜひ!!!!!!
海外ドラマのススメ
私は海外ドラマのファンだ。
高校生の時何となく見たドラマにハマって以来、それなりの本数の作品を見てきた。
しかし、私は海外ドラマファンに会ったことがほとんど無い。高校でも大学でも、そして今でも布教に勤しんでいるが、実績もなかなか芳しくない。
が!お家で過ごそうがトレンドの今は、これまでに無い布教チャンスなのではないか。
本当はいきなり推し作品をゴリゴリ勧めたいが、まずは海外ドラマ全体としてのオススメポイントを挙げていってみようと思う。
- 映画より気楽に見始められ、長期間楽しめること
海外ドラマは基本的に1話45分と、日本のドラマと変わらない(ものによっては30分くらいのシリーズも)。映画の場合はほとんどが120分を超えてくるので、それと比較して短い空き時間などにも気楽に楽しめる。
そして、その多くはシーズン制でドラマの人気に応じて続いていくことが多いので、長期間同じ作品の世界を楽しむことができる。ちなみにアメリカのドラマは1シーズン20話前後、イギリスのドラマは1シーズン10話前後の事が多い。
ストーリー上の理由などから人気を保った状態で終わらせるものもあるが、医療モノや捜査モノあたりは人気が続けば続くだけシーズンが更新されることが多い。
- 良作でなければ生き残れない(日本まで入って来づらい)こと
海外ドラマは毎年相当な量の作品のパイロット版(お試しの1話)が作られているが、まずその中から放送会社の審査を勝ち抜いたものしか放送されない。そして、日本の作品とは違って打ち切りが存在する。シーズン途中であろうが、クリフハンガー(続きが気になるシーンで話が終わる)でシーズンを終えていようが、視聴率が取れなければすぐに打ち切られてしまう。そこそこの人気作であってもシーズン更新がされるかは毎回ドキドキする。
そのような激戦をくぐり抜け、更に字幕や吹替が付いて日本に入ってくるものは更に少ない。そのため、個人の好みの差はあれど全体的に不評が多い作品は比較的少ない。(近年はNetflixやAmazon Primeなどの定額サービスが普及し、見られる作品数は相当増えてきているが)
- 凄いお金がかかっている
読んで字のごとく。お金の掛け方が半端ない。人気に比例して出演者達のギャラが上がっていくが、その分を除いても全体的にかなりお金がかかっている。
調べてみたところ、平均でも海外ドラマ1話=日本映画1本分(約1~2億円) (ソース: https://www.arupakano.com/entry-2018-02-16-000223) に相当するらしい。 ちなみに私の好きなドラマ、ゲーム・オブ・スローンズは1話約10億円、ERは1話約13億円かけられた…らしい。凄すぎて意味が分からないが、それだけのお金≒気合いが入った作品ということで、見応えも抜群。
- 役ごとにオーディションするので、俳優のクオリティが高い
上述したように、視聴率でも制作費でもシビアな海外ドラマ、当然役者も厳選される。どんな有名俳優であろうとオーディションは必須だそうだ。また、キャラクターに応じたキャスティングが重視されるので、無名役者が選ばれることも多く、演技力とキャラクターに合った役者がきちんとキャスティングされる。人気アーティストがちょい役で登場することはあるが、ただ人気だからというだけではメインキャラクターにはなれない。そのため、ストーリーはいいのに役者がな…ということはほとんど無い…少なくとも私は。
色々書いたが、これらのポイントは "ハズレが少ない" とまとめることができる。
もちろん個人の好みは差し引いて…になるが。
人気作だと吹替がついているものがほとんどである。字幕を追うのが苦手な人も楽しめる。また、人気声優が声を当てている作品もあるので、その方面から楽しむこともできるかも。
とにかく観てみてほしい。ハマるはず!!!
捜査モノ、医療モノ、コメディー、SF、ファンタジー、政治、人間ドラマ…、スパイモノ…
誰しも絶対にハマる作品があると思う。
何から観ていいか分からなかったら、ネットでおすすめ作品のあらすじまとめが便利だ。「おすすめ海外ドラマ○○選」など。ジャンル別に紹介してくれているサイトもある。
ただし、ネットで検索する際にはネタバレにご注意を…。
(特に画像検索やwikiは視聴途中に開くと爆弾級のネタバレを喰らう確率が高い…)
このお家時間が長いチャンスにぜひ試してみてほしい。
ミュージカルANASTASIAを見に行った話とエンタメが大好きな話(備忘録)
(今日は少し真面目なお話を。
3月に観劇したミュージカルと併せて、当時から今までもやもやっと考えていたことをまとめてみた。
あらかじめ断っておくが、これから書く中で出てくる感想や考えはただの私(素人)の個人的なものである。ただの長めの備忘録的な何かでしかない。)
3月25日、私はミュージカル「ANASTASIA」を観劇してきた。
この作品はロシアの"アナスタシア伝説" (ロシア革命の際に家族と処刑された王女アナスタシアが実は生き延びていた…というもの)を元にし、アカデミー賞2部門にノミネートされたアニメ映画「アナスタシア」を元に製作された作品だ。ブロードウェイで人気を博しロングラン上演となり、北米やヨーロッパ各国でも上演された。
その作品の日本初演、日本人キャストによる公演が実現するということでプロモーションも活発に行われ、注目度も高い作品だった…と思う。(昨年末のFNS歌謡祭ミュージカル特集にも参加していた)
主演は木下晴香、葵わかなのWキャストで、他のキャストには海宝直人や山本耕史など名だたる俳優達が名を連ねた。(敬称略)
当初の予定では3/1~3/28まで東京で、4/6~4/18まで大阪で公演が行われる予定だった。
しかし新型コロナウイルス対策の結果、実際に幕を開けたのは東京全34公演のうち14公演。大阪で予定されていた全18公演は中止となった。計52公演のうち38公演が中止されたことになる。
実施できた東京の14公演も、予定されていた初日からずれた上に公演再開と公演中止を繰り返すこととなった。
(メインキャストの一人、海宝直人さんに至ってはたったの1公演しか舞台に立てなかったという)
このような状況の中で、私は観劇することができたのだ。
とはいえ、最初に取ったチケットの回は中止となったため、改めて取り直した上でその公演が行われるのかハラハラしながら毎日情報を確認していたのだが……
何はともあれ幸運だった。
〈入り口の液晶〉
〈私が観た回の出演者〉
〈作中に出てくるオルゴールのイラスト〉
会場ではまずスタッフさんによる検温(額にかざすと一瞬で体温を計れる凄いやつで)。次にチケットもぎりを抜けると、アルコール入りのスプレーを持つスタッフさんが。この段階があると聞いていたので、劇場に入るまでに時間がかかるかと思っていたが、想定外のスムーズさに驚いた。(そういえば、この作品では劇場に看護師の配置もしていたそうだ)
当たり前かもしれないが、スタッフさんも観客も全員マスクを着けていた。この頃は世間的にまだマスクを着けている人は全体的に見ても半数強…くらいだった(と思う)ので、スタッフさんが皆マスクを着けている光景は私には見慣れないもので、やや驚いた記憶が残っている。
劇場へ入っても当たり前に皆マスク姿。そして記憶が定かではないが、「携帯電話をオフにしてね、撮影はやめてね」というような看板を持って歩くスタッフさんの後ろにもう一人、「マスクを着けてね、咳エチケットよろしくね」のような内容の看板を持って歩くスタッフさんがいたのがいつもと違っていた。
また、劇場内の案内係のスタッフさんがマスクらしきものを携帯していて、マスクを着けていない人がいたら渡す用かな?と思った。ここも記憶/感想共に定かではない。
それと劇場内で、前方・センターブロックの"良い席"も含めてちらほら空きが見られた。他の多くの演目と同様に、「ANASTASIA」も感染への不安を持つ人、行けなくなった人達に無料でキャンセルを受け付けていたからだろう。
余談になるかもしれないが、この時点では世間はおおよそ普段通り飲食店も娯楽施設も営業され、私も満員電車で普通に仕事へ出ていた。しかし、この状況下で行われたコンサートやイベント、舞台(特に目立ったのは宝塚)へのバッシングは大きかった。私の体感としてはこの当時、できうる限りの対策をした劇場で観劇するよりもよっぽど、電車内や繁華街の方がリスクが高いと感じ、「なぜエンタメ業界だけ?」と疑問と不満を感じていた。
急だった出来事に様々な側面からしっかり対応されたスタッフの方々には感謝と尊敬の念が耐えない。
また、対策のどうこうに関わらず「ANASTASIA」は素晴らしかった。
まず何と言っても、素晴らしく美しい音楽たち。繊細なメロディで郷愁を感じさせられたメイン曲「遠い12月」、ダイナミックなメロディにワクワクし盛り上がる「俺のペテルブルク」、ヒロインの決意を見せつつ後半への期待が高まってゆく「過去への旅」……
書ききれないが、全ての楽曲が最高に美しく、私は帰る途中にブロードウェイオリジナル版のサントラを注文した。今後日本語版が出たらそちらも購入すると思う。
そして、衣装/セットも素晴らしかった。場面ごとにガラッと印象の変わるセットや背景プロジェクションと衣装、照明。持てる限りの技術を駆使して表現された舞台は同じ場所で展開されているとは思えない程に"その場" の雰囲気を映し出していた。
それから、もちろん役者さん。私が観た公演の木下晴香さん、相葉裕樹さん、山本耕史さん、大澄賢也さん……。全てのキャラクターが舞台上で生きていて、感情や息遣いが手に取るように伝わった。
観劇の結果一番強く感じたのは、生の舞台の素晴らしさだ。家でドラマを観るのとも、映画館で映画を観るのとも違う独特の空気、緊張感。
物語が終わってカーテンコールで見られる、キャラクターを "脱いだ" 役者さん達に対する称賛と、開放的な気持ち、一緒に観劇した人々との一体感……。生の舞台でしか味わえない感覚がそこにはあった。
その後「ANASTASIA」は、予定されていた東京千秋楽日が前倒しされ、その後の大阪公演も中止となった。自分の4月・5月と入れていた観劇予定の心配をしつつ、とても悲しくなったのを覚えている。
私は観劇経験が少ないが、そんな私でもはっきりと感じたこの作品に対する役者・スタッフさん達の気合いの入り方と、投じられたであろう控えめに言っても決して少ないとは言えない資金。そしてこの作品を楽しみにしていた多くの観客。
(ちなみにこの作品は宝塚版が宝塚大劇場→東京劇場で8月末にかけて予定されているそう。上演できる環境になっていますように。)
この作品以降、私が観劇を予定していた複数の演目はどれも全ての公演中止が決まった。
作品の素晴らしさと共にタイミングとしても、私がこの日観劇できたのは本当に幸運だったと思うし、それが他演目の中止に落胆する中での慰めともなった。
しかし、同時に不安にもなっている。5月末までの緊急事態宣言の延長が決まった。状況から見てそれは仕方のないことだと思う。ただ、緊急事態宣言が終わったとして、劇場が開けるのはいつになるのだろう。状況がコントロールできるようになっていたとしても、観劇した当時のような世間からの厳しい視線を浴びてしまわないだろうか。
そしてそれまでの間に劇場、役者、スタッフ、関係者達が失い続けるであろう、そして既に失ったであろう損失に思いを馳せて、そこに対する現状での支援の状況を見ると、悲観的にならざるを得ない。
もちろん、補償をしようとしても財源には限りがあるのは分かる。しかし、今回のことでエンタメ業界が "不要" であるかのような環境に置かれた(ている)のは納得ができない…というか、悲しい。
風俗営業従事者への補償の時にも感じたが、"必要" な業種と "不要" な業種の境界はどこにあるのだろうか。"不要" な業種など、果たしてあるのだろうか?
…話が少し逸れるが、日本はこれまで "クールジャパン戦略" を打ち出して海外へのPRを行い、"観光立国" を目指すことでの経済成長を狙ってきた。この政策の影響かは分からないが、私がこれまで話した日本に興味を持つ外国人の大多数は、日本の文化芸術(特にアニメ・ボカロ・アイドルなどのエンタメ系)を知った事で日本という国に興味を持ったと話していた。1度訪れた観光客に再び来ようと思ってもらうきっかけとしても、文化芸術やそれに関するイベント等は有効だろう。
つまり、経済政策的にも文化芸術は大きな武器と言えるのではないか。この世界的な混乱が、感染対策面でも経済的にも戻った時に再び海外から人を呼び、経済を回す上でも重要となるはずだ。先のことにはなるだろうが、それを見据えようとした時に状況を再建できなくなっていたなら、それは経済的側面から見ても大きな大きな損失になるのではないか。…どうだろう?
素人の御託を並べたが、少なくとも私にとってエンタメは "必要" かつ不可欠なものだ。生きる目的と言っても決して過言ではない。
不安定な状況の中で観劇できた経験からそれを痛感したし、今も様々な工夫でエンタメを届けようとしてくれている人々からも、同じことを感じている。
確かに今は、我慢の時だ。早期に再開させろとは言わない。
ただ、状況が整ったと言えるようになった時、あらゆる意味でまた再びエンタメを楽しめる環境が戻ってこられるようにと心から願っているし、個人的にそのための支援の状況には注視していきたいと思っている。
そして願わくば「ANASTASIA」が再演されること、そして今回観劇できなかった作品たちを観られる日が来ますように。
最後に、印象的だったドイツの国務相の言葉を。
「文化は平穏な時だけの贅沢品ではない」
関連と参考のリンク
〈時論公論〉
「文化・芸術の灯を消さないために」(時論公論) | 時論公論 | 解説アーカイブス | NHK 解説委員室
〈井上芳雄さんが書かれた記事〉
新型コロナで公演中止 俳優たちの心中は(井上芳雄)|エンタメ!|NIKKEI STYLE
SixTONESがホグワーツ生だったらどの寮か想像してみた
ハリポタ大好きで、割と本気で転生するならホグワーツに通いたいと思っている私。
これまで何度かTwitterで見てきたこのテーマで「うわー!!わっかるー!!!!」という部分と「なるほどこういう捉え方もあるのか!面白い!」という部分があったので、自分なりのイメージでやってみる。
(※あくまで現時点での筆者のイメージであり、妄想です)
まずは各寮の概要を。 (参考: HARRY POTTER WIKI→ホグワーツの寮 https://harrypotter.fandom.com/ja/wiki/%E3%83%9B%E3%82%B0%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%84%E3%81%AE%E5%AF%AE )
- グリフィンドール
シンボル→ライオン
カラー→深紅と金
寮生のタイプ→勇気・大胆さ・気力・騎士道的精神
- ハッフルパフ
シンボル→アナグマ
カラー→黄色と黒
寮生のタイプ→勤勉・献身・忍耐・忠義・公平性
- レイブンクロー
シンボル→ワシ
カラー→青とブロンズ
寮生のタイプ→知性・知識・智恵・独創性
- スリザリン
シンボル→ヘビ
カラー→緑と銀
寮生のタイプ→野心・狡猾さ・機知・器用
では、これを基に私の現時点で持つイメージから考えてみる。
(ちなみにネットにある幾つかの組分けテストをやってみた私は、大体レイブンクローで時々ハッフルパフだった。グリフィンドールタイプが憧れなのだが……)
- こーちくん→ハッフルパフ
"優しさ" のイメージが強いこーちくん。キラキラな笑顔と柔和な物腰がハッフルパフを彷彿とさせた。そして、"献身" と "忠義"。ROTだったかな?「SixTONESを守る(ニュアンス)」の発言が印象的だったので、これもまたピッタリじゃない?それに、バラエティーや苦手なダンスへのひたむきに努力する姿。そして、メンカラの黄色!寮のカラー!!(そこ?)
…と、ここまで考えたところで邪念(?)が。スリザリン生のこーちくん、ありじゃない?あの笑顔の裏に二面性を持たせて狡猾なキャラにしたら、最高じゃない…?それにたまにブラック髙地が見える気がする(某コオロギの話など)…
得意科目は薬草学かな?
- 大我さん→スリザリン
理由は単純。純血の由緒正しきお家柄っぽい!!!!そこに闇属性な部分とあの美形が合わさると…スリザリン!!あとこれは完全にドラコの印象ありきな気がするが、金髪×きっちり分けで色白な所も…スリザリン。そして、スリザリンカラーの制服も似合うと思うんだよな。純血のプリンス…
一方で、グリフィンドールっぽさも感じる。言動の潔さや男らしさ、意思の強さ。むしろ内面はグリフィンドールじゃない?あれ?彼の中の私の好きな面を合わせたら、グリフィンドールのイメージになってきた…むしろ、スリザリンの方が願望なのかも? (混乱)
得意科目は魔法薬学。
樹くん→グリフィンドール
樹くんは一番難しかった。最終的には、表だったSixTONESとスト担の大黒柱的ポジションのイメージから強さを感じるグリフィンドールかなぁとなったが、どの寮にも合いそう。真面目で勤勉な印象からのハッフルパフ、司会者的役割に感じる頭の良さからのレイブンクロー、野心と器用さから感じるスリザリン…。
でもやっぱりグリフィンドールかな?上手く説明できないけれど、私の中の樹くんは"真っ直ぐな人" で、グリフィンドールのイメージにも合致する気がする。
得意科目は変身術かな?
- 北斗くん→レイブンクロー
シンプルに、知性を感じるから。ミュージカル絵描き歌回のすとらじでジェシーくんの国語辞典になってたけど、あれには驚いた。「刹那って何?」っていきなり聞かれて答えられる自信、私には無い。それをさらっと自然に答えられる北斗くん、凄い。そして独創性、彼の雑誌のインタビューや私服を表すのにぴったりだと思う。 あと、レイブンクローの制服が一番似合いそう。
でも、わんこな一面ややんちゃほくちゃを見ているとハッフルパフ…?ともなる。勤勉さや忠義も感じるし…。難しい。
(ちなみにこれを書いた後にほくじゅりANNを聞いたら、混乱が深まりました。わんこほくちゃ…?)
得意科目は呪文学。
- ジェシーくん→グリフィンドール
太陽。センター。考察要る?というくらいにグリフィンドールだと思う(私が見たTwitter上の考察ツイ、他のメンバーは差異があったがジェシーくんはグリフィンドールで皆一致していた)。大先輩の方々に対しても変わらぬ大胆さと輝き。圧倒的な心強さ。グリフィンドーーーール!!!!
しかし、またも邪念が。反対に、スリザリンもとても似合いそう。個人的にジェシーくんは輝きが強く見える一方で、内面が見えづらいと思っている。人間なんだし、ダークな一面もあるのでは?と思って想像したら…いいな…(妄想)
得意科目は闇の魔術に対する防衛術。
- 慎太郎くん→ハッフルパフ
慎太郎を思い浮かべた時、真っ先にハッフルパフの優しさ・寛容さが出てきた。メンバーで話している時に頻繁に出てくるさりげなく優しいフォローの一言、そして誰もが心暖まるであろうサファリパークでの動物達との交流の様子。思いやり、人としての温かさのイメージが強い彼はハッフルパフを体現しているのではないか?と思えるほど似合うと思う。
次点を挙げるとすれば、グリフィンドールかな。優しさと同時に勇気と大胆さも兼ね備えていると思うので。
得意科目は魔法生物飼育学。
結論(?)
- こーちくん→ハッフルパフだが、スリザリンも似合う…可能性?(願望と疑念)
- 大我さん→グリフィンドール。スリザリンも似合うが、私のイメージ上の彼の内面を考えたらグリフィンドール。
- 北斗くん→レイブンクロー。でも、ハッフルパフもある?
- 樹くん→グリフィンドール…だが、どの寮にも合いそう。難しい。
- ジェシーくん→グリフィンドール。反対に、妄想が捗るのはスリザリン。
- 慎太郎くん→ハッフルパフ。グリフィンドールっぽさも感じるが、やっぱりハッフルパフ。
感想
なかなか難しかった。私はまだ新規だから、この先見て行ったら印象が変わるかも?
そして何より、どのメンバーの時にも妄想と願望が暴走しまくるのでめちゃくちゃ楽しかった。
もっと沢山の人のイメージを見てみたい…!!(妄想したい)
SixTONESの結成5周年記念に載せたかったやつが間に合わなかったので、代わりにこのしょうもない妄想を載せました。(何でもっと早く始めなかった…と後悔しきり)
と、それは置いておいて。
5周年おめでとう!!!!!!
本当にいつもありがとう!!!!!!
大好きです!!!!!!
らびゅーー!!!!!!
おすすめ海外ドラマ - SMASH
私が本格的にミュージカルにハマり、実際に観劇したいと思うようになったきっかけの作品、「SMASH」。海外ドラマ初心者だろうがミュージカル初心者だろうが関係なく、本当におすすめ。(両方に該当する友人も絶賛していた)
あらすじ
夢と現実が交差する街ニューヨークで、ウェイトレスをしながら女優を目指すカレンは、マリリン・モンローの人生を題材にした新作ミュージカルの主役オーディションに挑戦する。ライバルは、経験豊かなブロードウェイ女優、アイヴィー。製作チームには様々な思惑が入り交じり、女たらしで有名な演出家デレクは、カレンの才能を信じながらもアイヴィーと関係を持つ。しかし、夢をかなえたい、人生が輝く瞬間を手にしたいという夢は、誰もが同じだった。最後にマリリンを演じることになるのは・・・? (Amazon.com商品ページより引用)
このドラマは2シーズン計32話で完結済み。アメリカの三大ネットワークの一つ、NBCテレビで放送された。
製作総指揮はなんと…、スティーブン・スピルバーグ。
あのジュラシックパークとジョーズの、スピルバーグ。(もちろんこの作品では危険生物は出てこないが。)
このドラマは一言で表すと「ミュージカル製作ドラマ」だ。
マリリンモンローを主人公に据えたブロードウェイミュージカルを製作していくことを主軸に、登場人物たちの人間模様が描かれる。
ミュージカル製作というとパッと思い付くのはプロデューサーとキャストだろうと思う。だがこのドラマでは演出家、ストーリー作家、作詞作曲家、コーラスキャスト達も含めてその道のプロ達が1本のミュージカルを作っていく過程が見られる。
そして、私が思うこの作品の大きな見所は、作中に登場する楽曲である。
この作品では、2種類の楽曲が登場する。
一つ目は登場人物達がオーディションなどで歌う楽曲。詳細は省くが幾つかの有名な楽曲が歌われている。
そして、二つ目。作中で製作中のミュージカルの楽曲。なんと言っても、このオリジナル楽曲達が素晴らしい。マリリンモンローの幼少期から最期までを描く作中ミュージカルと、シーズン2から出てくるもう一作のミュージカル、どちらも全てきちんとオリジナル楽曲で構成されているのだが、全ての曲の歌詞もメロディーも演出もダンスも素晴らしい。
ちなみに、途中から出てくる作品の楽曲には、"ラ・ラ・ランド" と"グレイテスト・ショーマン" を手掛けた作詞作曲家コンビが参加していたそう。
この作中ミュージカルは、ドラマを離れて実際に公演をしたこともある…らしい(死ぬほど見たい)。サントラも2つ出ており、当然両方手に入れた私は作中作を脳内ミュージカルとして楽しんでいる。
また、ストーリーも最高に楽しめる。ヒロインの座を巡る競争、家族、恋愛、友情、仕事仲間との関係……。見所を話すと尽きないし、クセのあるキャラクター達に共感したり、呆れたり。オシャレなNYが舞台なので、映る景色も楽しめる。
実際に舞台(ミュージカル)で活躍しているキャストが多いのも、作品に迫力を与えている。
(シーズン2から出てくるメインキャラの一人は、ブロードウェイオリジナル版ニュージーズのジャック役だったそう)
私では魅力を伝えきれないが、とにかくおすすめの作品。とにかく、おすすめ。ぜひ見てほしい。
タイムリーな本たち
今、感染症関連の本が売れまくっているらしい。
何故か?もちろんアイツのせい。
私が憎んでも憎んでも足りず、恨んでも恨み足りない新型コロナ。
そして恐らく誰もが、できることなら思い付く限りの残忍な方法でコテンパンにしたいと思っているアレ。
これまでも散々文句を言い散らしてきたけれど、いくら言っても言い足りないから当分罵倒し続けることになるであろう、アレ。
私は数年前に突発的衝動に駆られて幾つかの感染症関連の本を読んだ。自分以外に需要があるかは分からないが、自己満足と記憶の整理のために残しておこうと思う。
完全フィクションのただ読んで楽しめる物語が2冊。きちんとした文献を基に書かれたノンフィクションが2冊だが、ノンフィクションであっても理数系全般にアレルギー兼医学知識が皆無な私でも読んで理解できたものなので、多分誰でも読めるやつ。
端的に言えばド素人でもするっと読めて、気付いたら勉強になってるかも…なお得な本たち。
どれも偶然コロナ流行以前にただの趣味の一部として読んでいたが、純粋な興味以上に勉強になることもあったので読んでおいたのはラッキーだったなぁと思っている。
(ちなみにここで取り上げるノンフィクション本2冊はいずれも感染症の歴史の本。少なくとも1年以上前に読んだものであり、曖昧な点があるかも。あと、★付けは完全なる主観)
ただし、やっぱりテーマは感染症。明るい!爆笑!とはいかない。このご時世に読むのはタイムリーでむしろいい!楽しめる!という人もいれば、不安感が増したり憂鬱になったりする人もいるだろう。もし気になる方がいても、そこは自己判断でお願いしたい。
それでは、とりあえず私が読んだ順番にまとめよう。
1 .「ドゥームズデイ・ブック(上下)」 コニー・ウィリス/大森望 (1992) (2003年ハヤカワ文庫にて文庫化)
読みやすさ★★★★
リアリティ★★
- ジャンル分けするならSFに分類される小説。文章的にもストーリー的にも読みやすいが、上下巻共にやや分厚いので読みやすさは星4。小説ながら著者が綿密に資料を調べたと想像される文や描写があるので、リアリティは星2。
- あらすじ
近未来、タイムトラベルが可能となった世界のオックスフォード大学史学部では、タイムトラベルを活用した歴史研究が行われていた。主人公キヴリンは中世イギリスでの市民の生活を調査するためにタイムトラベルをするが、誤ってペストが蔓延し始めた時代へと飛んでしまう。一方、キヴリンを誤って危険な時代へと送り出したと気付いた大学の方でも謎の病が広がり始めていた。
私の大好きな作家、コニー・ウィリスの著作。大学時代の試験前日になぜか読み始め、止められなくなった記憶のある思い出深い(?)一冊。ジャンル分けするとSFだが、宇宙人も謎のメカも出てこないのでSF初心者でも難なく読める。作中での "現在" と主人公がタイムトラベルした先の中世イギリス、2つの時代の話が同時並行で進む。どちらの時代でもそれぞれに危険な感染症が流行し、その対応をしつつ主人公が元の時代へと戻るための手段を探る。 (※「笑える本」で取り上げた同著者のシリーズ1作目!!)
コニー・ウィリスの作品の特徴は、ユーモアが溢れているところ。本作も登場人物達が2つの時代でそれぞれ過酷な出来事に直面するが、その最中にあっても人間らしさが垣間見える。"現在" 側の登場人物の一人が、感染症よりもトイレットペーパー不足を心配するシーンがある。読んだ当初はクスッと笑ってしまったが、あれ…現実になったじゃん…。となったところからもそれが窺えると思う。
2 .「世界史を変えた13の病」 ジェニファー・ライト/鈴木涼子 (2018) 原書房
読みやすさ★★★★
リアリティ★★★★★
- ノンフィクションで文献一覧もあるので、リアリティは星5にしておいた。内容もエッセイ的でユーモアも多く、普通に楽しい読み物としてもおすすめできる。読みやすさ星4の理由は、文庫化されていないこと。
タイトル通り、世界史を変えた13種類の病を取り上げている。ペスト、コレラ、天然痘、結核にスペイン風邪…。これらのメジャーなものから少しマイナーなものも含んで、その感染症の時代で人々はどう反応したか、対処したかが書かれている。医学が発達した私たちから見るとバカげて見える治療法も盛りだくさん。しかし、顕微鏡が無くウイルスの存在を知らない時代の人々が必死に戦う姿には、学ぶところが山ほどある。
先述したように、語り口が軽快で読みやすく面白いのでとてもおすすめ。
3 .「疾病と世界史(上下)」 ウィリアム・H・マクニール/佐々木昭夫 (1976) (2007年中公文庫にて文庫化)
読みやすさ★★
リアリティ★★★★★
- 新書や論文的な文章とアプローチなので、人によっては読みづらいかも。しかし文献数が多く、理論と理由がしっかりと書かれているため、リアリティは抜群。
上述では人によっては読みづらいかもと書いたが、特に予備知識は必要無い。文章を読むのに慣れた人なら難なく読めるレベルだと思う。あくまで人をメインに据えた「13の病」とは違うアプローチで、ウイルス・細菌の生存戦略という方向からも書かれているのが面白く、とても勉強になる。ちなみに著者は著名な歴史家であり、考察の仕方が鮮やかで興味深い。そういう面でも勉強になるかも。
4 .「ペスト」 カミュ/宮崎嶺雄 (1947) (1969年新潮文庫にて文庫化)
読みやすさ★★★★
リアリティ★★★★
- 小説であり、難解な表現も無い。しかし、登場人物たちの哲学的なやり取りや問いが出てくるので、苦手な人は苦手かも?メインキャラクターをはじめ、登場する人々の思考や行動にリアリティを感じる。(あくまで主観)
あらすじ
アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。 (Amazon.com商品ページより引用)
この小説の面白いところは、ペストという疫病そのものとの戦いというより、そこに直面した人々の行動や感情に焦点を当てているように思えるところである。メインキャラクターはたちはそれぞれ少しずつ異なるタイプの人間たちであり、考え方も行動も違う。同じ場所で同じように疫病の脅威に曝されながらも、皆が同じという訳ではない。しかしながら、どの登場人物にも感情移入できる所があるった(少なくとも私はそうだった)。
これらの本を読んでの非常にざっくりとした感想を言うと、「感染症ってどうしようもない」。バイオテロか何かで故意にバラ撒かれたのでなければ、仕方がないと言う他無いのだ。(それが物凄く腹立たしいし、分かっていても文句は止まらないけれども)
感染症は普段思っているよりも身近なものだ。インフルエンザ、おたふく風邪、エイズ、マラリア……
この先たとえ今回の新型コロナを抑え込めたとしても、何ヵ月か、何年か、何十年後かには必ずまた別の感染症に悩まされることになるだろう。
その時のためにも、今はまず自分ができることを把握して対処すること。そして、今回のことから教訓を得ること。(なかなか難しいと思われるが)